2024.10.28
ポジティブなインタラクションが犬のトレーニングに大切な理由
カナダのリッチモンド署が実施した「ポジティブチケット」プログラムはご存じでしょうか?
リッチモンド署の警察官が地域を巡回し、若者が交通規則を守ったり、ボランティア活動に積極的に参加するなどの良い行動を見つけた際、その行動を称賛し、引換券を渡します。この引換券はアイスクリームや映画チケットなどに交換でき、若者たちはポジティブな行動をすることの喜びと報酬を得ることができます。このプログラムは、単に罰を与えるのではなく、善行を奨励するアプローチによって、青少年犯罪の件数が半減し、10年間で青少年の再犯率が8%減少しました。
ポジティブチケットとドッグトレーニングの共通点
このリッチモンド署の事例は、実はドッグトレーニングにも通じます。前回のブログで罰のメリットとデメリットを紹介しましたが、犬のトレーニングにおいても、望ましい行動を促進するためには、ポジティブなフィードバックが効果的です。つまり、犬が良い行動をしたときに報酬を与えることで、その行動が増えて、繰り返されやすくなるのです。
ドッグトレーニングにおけるポジティブなインタラクションの重要性
1.双方向の相互理解の向上
犬が正しい行動を取ったときに褒めたりご褒美を与えることで、犬と飼い主さまの間の関わり方が変わります。犬は飼い主さまが求める行動をポジティブな結果によって学び、飼い主さまも犬のポジティブな行動に目が向くようになります。
2.ストレスの軽減
ポジティブなアプローチは、罰や否定的なフィードバックに比べて犬に与えるストレスが少ないです。犬が快適で安全だと感じることで、学習がスムーズに進みます。また、飼い主さまも犬の良くない行動を目にする機会が減ることで、日々の生活でのストレスが減ります。
3.長期的な行動改善
一度ポジティブなインタラクションを通じて学んだ行動は、長期的に持続しやすいです。例えば、トイレトレーニングや「オイデ」「マテ」などの行動は、俗に言われる「アメとムチ」の方法より、ポジティブな経験の積み重ねによって定着しやすくなります。
~まとめ~
リッチモンド署の「ポジティブチケット」プログラムは、若者にポジティブな行動を促す優れた例であり、この考え方は犬のトレーニングにも応用できます。犬が正しい行動を取った際にすぐに褒めたりご褒美を与えることで、犬との強い絆を築きながら、良い行動を持続させることができます。
愛犬とのより良い関係を築くために、叱るのではなく、ポジティブなインタラクションを取り入れてみましょう!