2025.06.29
覚えるってどういうこと?⭐キャナップ犬のようちえん

トイレトレーニングを例に考えてみましょう
「うちの子、なかなかトイレを覚えてくれなくて…」
そんなお悩みをよく耳にします。
でも実は、犬が「覚える」ってどういうことかを知っておくと、トレーニングがぐっと楽になるかもしれません。
犬がトイレを覚えるときは、シーツの感触、トイレトレーの素材、場所の位置、ニオイ、まわりに人がいるかどうか、誰が立ち会っているのか、掛け声の有無など…
本当にたくさんの「環境のヒント」と結びつけて記憶しています。
そして、何が“合図”になるかは犬によってさまざまです。
トイレトレーそのものがヒントになる子もいれば、サークルの場所、人との位置関係、場所のニオイなど、複数の要素が組み合わさってトイレだと認識している子もいます。
「ひとつのサインでできるように」とは限らない
飼い主さまとしては、できれば「トイレトレーさえあれば、どこでも排泄してくれるように」なってほしいものですよね。
でも、トレーニングの目的はあくまで “飼い主が望む場所で排泄できるようになること” です。
その子がその場所で安定して排泄できるようになるなら、ヒントになる環境要因がいくつあってもいいのではないでしょうか。
大切なのは、「この子にとって“できる”環境ってどんなものだろう?」と考えてあげること。
「できた!」のあとにはメリットを
もうひとつ大切なのが、「できたあと」に犬にとっての メリット(=ごほうび) があるかどうか。
メリットとは──
言葉でほめてもらうこと、撫でてもらうこと、大好きなおもちゃで遊ぶこと、おやつをもらうことなど、その子が嬉しいと感じるものです。
もしメリットがなければ、「できた」ことを次回以降に繰り返す理由がなくなってしまいます。
できたことに対して「嬉しいことが起きた!」という経験が、次の“やってみよう”につながるんです。
「できる環境」と「できたメリット」がセットで記憶になる
甘噛みや吠え、散歩中の引っ張りなど、他の行動もすべて同じです。
- まずは「できる」環境を見つけて用意する
- 「できた」ら、その直後にしっかりメリットを与える
- そして、その流れを繰り返す
この一連の流れが、「覚える」ということなのです。
「覚えさせる」から「覚えられる環境づくり」へ
覚えるために大事なのは、“できるようにしてあげる環境づくり”と、“できたあとに嬉しいことがある”という経験の積み重ね。
「覚えてくれない…」と悩むよりも、
「覚えやすい環境をつくれているかな?」
「できたあとに、嬉しいことがちゃんとあったかな?」と、少しだけ視点を変えてみる。
それだけで、トレーニングはぐっとやさしく、前向きなものになるはずです。