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2025.08.30

SNSでよく見る「咬みつき矯正トレーニング」の落とし穴⭐キャナップ犬のようちえん

SNSでよく見る「咬みつき矯正トレーニング」の落とし穴⭐キャナップ犬のようちえん

 

最近、InstagramやYouTubeなどで「咬みつき行動を治すトレーニング動画」をよく見かけませんか?

たとえば・・・

・犬に口輪をつける

・分厚い手袋をはめる

・リードで犬を動けないようにして

・ひたすら撫で続ける

このようにして「咬まなくなる」方法として紹介されていることがあります。

 

一見すると「効果があるように見える」この方法ですが、実は大きなリスクがあります。

今回は、その危険性と、もっと犬に優しい方法について解説します。

 

SNSでよく見る「ひたすら撫でる」方法の問題点

 

このやり方は、犬が「咬んでも撫でられるのをやめてもらえない」経験を繰り返すことで、“諦めて”咬まなくなることを狙っています。

 

でも、実はこの方法には大きな落とし穴があるんです。

 

① 一時的に治ったように見えても再発しやすい

この方法では、咬まなくなった!」と思っても、しばらく経ってから再び咬むケースが多くあります。

たとえば・・・

・時間経過による再発

 → 一度は噛まなくなっても、時間がたつとまた咬むようになることがあります。

・場所や人が変わると再発

 → トレーナーの前での練習では咬まなくても、日常生活に戻ると咬むようになることがあります。

・悪化する可能性

 → いったん落ち着いたと思っても、何かのきっかけで以前より強く咬むようになることもあります。

 

つまり、「一時的に見た目だけ改善するけど、根本的には解決していない」ことが多いのです。

 

② 犬にとって強いストレスになる

犬が「触られるのが嫌で咬んでいる」のに無理やり撫で続けると、犬は大きなストレスを感じます。

そして、その結果こんなことが起こりやすくなります。

・「触られるのがもっと嫌いになる」

・「飼い主さんの手が不快な存在になる」

・「触られそうになると、先に噛むようになる」

 

本当は大好きな存在である飼い主さんが、犬にとって「嫌なことをする人」になってしまう危険があるんです。

 

③ 動物に優しくない

ちょっと想像してみてください。

もし、あなたが虫嫌いで、それを克服するためにたくさんの虫がいる部屋に閉じ込められたとしたら・・・

考えただけでゾッとしますよね。忘れてください。

 

犬にとって「嫌なことを我慢させ続けるトレーニング」は、これと同じこと。

強いストレスを与える方法は、犬にとっても飼い主さんにとってもよくありません。

 

 

犬にも人にも優しい手段の考え方

 

では、どうすればいいのでしょうか?

大切なのは、犬にとっても飼い主さんにとっても安全で、やさしい方法を選ぶことです。

 

✅ ポイントは「大きなメリット」と「小さな成功」

・嫌がることを無理に続けない

・犬が安心できる距離や状況から始める

・できたときにはすぐにその子が喜ぶごほうびをあげる

 

例えば、触られるのが苦手な子なら──

「近くに座る → ごほうび」

「肩に軽く手を置く → ごほうび」

「ほんの一瞬なでる → ごほうび」

このように、犬が安心してできるところから少しずつ練習していきます。

「怖いことを我慢させる」よりも、「できた!」「うれしい!」を積み重ねる方が、ずっと安全で効果的なんです。

 

まとめ

◆ SNSでよく見る「口輪+手袋でひたすら撫でる」方法はリスクが高い

◆ 一時的に咬まなくなっても、再発・悪化することがある

◆ 飼い主さんとの信頼関係を壊す恐れがある

◆ 犬にとって強いストレスとなり、福祉の面からもおすすめできない

◆ ごほうびを使った、優しい段階的トレーニングが効果的

 

咬む行動は「犬が悪い」からではなく、「これ以上やめて!」という大切なサインです。

 

そのサインを無視して抑え込むよりも、犬の気持ちに寄り添いながら「リラックス状態」を作り出すことが、長期的に見ても安全で、飼い主さんと犬の関係を良くする一番の近道です。